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読書「アフリカで、バッグの会社はじめました 江口絵理」他

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【155〜160】

ネタバレあります。

155.アフリカで、バッグの会社はじめました 江口絵理

アフリカのウガンダで女性支援の為にバッグ工房を立ち上げた仲本千津さんの奮闘を描いたドキュメンタリー作品。

驚くことばかりでした。

千津さんはずいぶん若い頃から自分の将来をしっかりと設計しています。そしてそれに向かってひるまず進んでいく。無謀のようにも見えますが、とにかく力強く頼もしい。

紆余曲折ありながらもバッグの工房を作り、更にその先の課題にも挑戦し続けます。 

最初は人の命を救う仕事がしたいと医師を志したけれど挫折、その後いくつもの新たな刺激を受けて社会起業家になりました。

社会起業家とは社会が抱えている問題を解決するためにビジネスを立ち上げる人のことを言うのだそうです。

千津さんの成功は、悩んだり苦境に陥った時に相談出来る良い先輩達に恵まれたこともありました。でもそれは偶然ではなく、彼女の人柄やひたむきさが彼らに響いていたからだと思います。

何よりも縁あって出会った人を大切にする千津さんでした。

誰もが彼女のように出来るわけではないけれど「自分の心の声に正直に生きる」というのは見習いたいなと思いました。

多くの若い人たちに読んでほしい本です。

156.記念日の客 赤川次郎
定年を迎え、新たに芸能人のマネージャーの仕事についた主人公が慣れない仕事で奮闘する中、次々に起こる事件をも解決していくストーリー。

登場人物が多い割にはこんがらがることもなくわかりやすかったです。ミステリーと言うほどミステリーでないところが良かったし、スピード感もあってストーリーもなかなか面白かった。

主人公がとてもかっこよく魅力的な人でした。それもあって最後まで飽きずに読めました。最後はちょっとあっけない気もしましたが・・。

157.フラダン 古内一絵 課題図書

『工業高校2年の穣(ゆたか)はフラダンス愛好会のリーダーに強引に誘われ入部する。そしてやる気満々の女子達とフラガールズ甲子園での優勝を目指すことに。
フラダンスと共に青春を駆け抜け、そして東日本大震災の復興と向き合い成長していく高校生の物語』

ものすごく面白かったです。読みながらおかしくておかしくて涙を流しながら笑い転げました。あんなに笑ったのは久しぶり。思い出しては笑いが込み上げてくる、それなのに最後は感動で涙です。

仲間同士の絆やそれぞれの成長を描く物語というだけでなく、震災から5年経ってもなお閉ざされている心があり、それが少しずつほどけていく様子も物語に自然に組み込まれていて奥行きも感じる内容でした。 

登場する高校生のキャラが際立っていたのも楽しかったです。

これ読まないと損するかも。

158.磁極反転の日 伊与原新

理系作家ならではの作品。

『毎日のように地球のN極とS極反転関連のニュースが流れる中、東京にもオーロラが出現した。人工衛星の落下や急激な寒冷化という自然災害に人々の不安は増大し、SNSには人体への悪影響が懸念される宇宙線の情報が毎日溢れノイローゼになる人も。

そんな中、磁極反転関連の取材をするジャーナリストの柊は妊婦が次々に失踪しているという情報を得る。磁極反転と関連があるのか?その真相を追うと謎のカルト集団の存在が浮上する』

面白かったです!

地球科学という分野の話は難しくて半分も理解できませんでしたが、フィクションでありながらも昨今の地球温暖化や大地震の事を思うと、この物語の内容も身近な問題に感じられました。

作中の人々の不安や恐怖がリアルに感じられたし、報道やSNSに潜む危うさが浮き彫りになり真に迫って怖かったです。

ジャーナリストの柊が真相に迫る過程は疾走感もあり夢中になりました。最後はめでたしで終わってホッとしたし、読後感は良かったです。

今まで経験したことのない新しいミステリーに感じましたし、新しい知識への欲も満たされて、難しかったけれど楽しく面白かったです。

159.島はぼくらと 辻村深月

瀬戸内海の冴島(架空)で暮らす4人の高校生を中心に描かれる島の物語。

『冴島に住む新、源樹、朱里、衣花はフェリーで本土の高校に通っている高校生3年生。卒業すれば島を離れることを思うと、一緒に過ごせる最後の年だ。

冴島はIターン、シングルマザーを多く受け入れている。移り住んで来た人も多いが、それぞれ重苦しい過去を抱えている。

ある日高校生4人は学校帰りの船の中で幻の脚本を探しているという男に出会う。そしてその脚本を探すことになるのだが・・』

4人の高校生一人一人の視点で島の実情が描かれていて、読み手としてはいろいろな角度から深く立体的に島の姿を理解できました。

島ならではの考え方や島民同士の繋がりだけではなく、島というある意味狭い世界で暮らす中での知恵や寛容さなど興味深かったです。そしてそれが自然に島民の身についているところも独特だと思いました。

その反面、昔からの島民と新しい移住者との距離感や問題点などにも焦点を当て、とても深い内容でした。

島の親御さんたちが自分の子どもと一緒にいられるのは中学までと考えていることが切なかったけれど、それをそういう物だからと捉えているところも切なかった。

高校生4人の友情や成長を描いた爽やかな青春物語にとどまらず、島のあり方や将来の展なども盛り込んでいて社会派小説でもあり、家族や住民同士の関わりを描いたヒューマンドラマでもありました。

スイスイ読めますし、面白かったです。

少し引っかかるのは脚本の横取り事件、これで終わっていいのかなぁと消化不良でした。

そして2つの初恋物語は可愛くてとっても爽やか。新の男らしさにぐっときたし、実は本人には告白してないけど、源樹の島に残った決め手が「女」という話もカッコよ買ったです。

人とのつながり、若者の将来、仕事の多様性、才能って何?、島の未来、生きる希望・・不安や悩みを抱えた人へのヒントがぎゅっと詰まった物語でした。

どの年代の人が読んでもハッとする、得られる何かがあるような気がします。

160.方舟 夕木春央

ミステリーの中でも傑作と言われる作品。衝撃といえば、衝撃でした。

『大学生の柊一は従兄を連れて友人たちと旅行中、皆で山奥にある地下建築を訪れる。一夜をこの地下建築で過ごすつもりが地震により出口を塞がれてしまい密室状態に。更に水が上がって来てこのままでは水没による命の危険が迫っていた。

そんな中、殺人事件が起こる。一人が犠牲になれば残りの人は脱出可能という状況の中、犯人が犠牲になれば良い・・犯人探しの最中さらなる犠牲者が』

登場人物は多くなく、すぐ本題に入っていながら割とゆっくりと進むのでわかりやすかったです。

ただ殺人の動機は現実味が感じられなかった。それでもこの危機的状況の中で自分が助かるためには・・と考えるとこうなるのか・・。

そんな切羽詰まった状態にもかかわらず、結構皆がのんびり構えていて、これまた納得いきませんでした。こんな風に殺人事件があれば、なおかつ犯人はこの仲間の中にいるとわかっていば相当緊張すると思うのですが。一人になんかなれない、皆一つの部屋にいるべきだと思うはず。

そして柊一の従兄・翔太郎が緻密な思考で名探偵ぶりを披露していながらこのオチ?犯人に言う最後の言葉にもがっかりさせられました。

私としてはさらなる逆転はないのか?と思いましたが、ないみたいでした。でもどうなんだろう・・。

 

最後まで読んでくださってありがとうございます。


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